私は幼少期、川崎病の為、入院経験があります。入院中の看護師さん達がとても忙しそうにしているのを感じていましたが、私は理由もなくナースコールを押しました。
「ああ、怒られるかな」自分で押しておいてなのですがとても不安な気持ちになりました。すぐにベッドサイドに駆けつけてくれた看護師さん、必要もなく押したのだからお願いする事もありません。
その時に出た言葉は「耳かきをして欲しい」でした。これも忙しい中に、こんな事を頼んでどうしよう、とても後悔していました。
その時の看護師さんは嫌な顔一つ見せず、私の耳かきをして下さいました。その瞬間、気持ちがとてもほぐれて落ち着いた気持ちになれた事を今でも時々思い出しています。
入院中は採血をされるし薬は不味いしでともかくストレスフル、その不安や辛さがあって気持ちを紛らわしたくナースコールを押していたのかなと今でその時の事を振り返れます。
将来医療職につこうと思う大きなきっかけの一つとなりました。
その後看護師の資格を取得し、精神科、外科混合病棟、手術室、救命救急センター、ICU、PICU、CCUと経験し急性期医療の現場に長く身を置く中、思う事がありました。
病気や障害があると退院出来ずに自宅に帰る事が困難な人達が沢山いる事を。
そして在宅訪問看護、ナーシングホーム勤務を経験し、私も在宅領域でケアする力を身に着ける事が出来ました。
入院治療と在宅療養はどちらも大切な両輪です。そして今の私は退院後の方々の生活を豊かにしたく訪問看護師として活動しております。